食についての徒然なる雑感
こんにちは。ライターのNです。
ここに私の好きな本があります。
特に、筒井ともみさんの「舌の記憶」という作品が好きで、
出会ってからおそらく7〜8年は経っていると思いますが、
今まで数え切れないほど繰り返し読んできました。
(江國香織さんがご自身のエッセイで紹介していたのが、
この本を知ったきっかけです。)
著者の筒井さんの幼い頃の思い出、
お母さんが作ってくれた様々な食べ物にまつわることを、
思い出のエピソードとして綴ったエッセイ集です。
(武田百合子さんの「ことばの食卓」も素晴らしい。)
料理が食卓に並ぶまでの、細々とした下準備のこと
食卓を囲む家族に関する、子供ならではの(でも、とても鋭い)洞察
旬の食材を使った、季節を感じる献立の数々
大根の早漬けと煮凍り、鉄釜で炊いたご飯の朝食
小豆を厚鍋で炊き、餡を練り上げて作る「おはぎ」
特別な日の茶碗蒸しや、庭で摘んだミョウガを入れる水とん、などなど
まだ物が圧倒的に少なかった時代の、手間暇かけた下ごしらえや
美味しくいただくための心配り
幼い頃のエピソードなのに、鮮明に繊細に描かれていることから
食の記憶とは深く刻まれるものなのだと、しみじみ感じます。
日々何かに追われているような気持ちになってしまう時
この本を手に取ると、
時間がないのではなくて、時間を作っていないのかな
と、立ち止まることができます。
さて、
我が家は夫と二人暮らしです。
仕事が忙しく、帰宅が0時を過ぎることが多い夫のために食事を準備して
私は先に寝てしまうことが多いのですが
疲れて帰ってきた夫を、ゴハンよ、私の代わりに癒しておくれ、
と念じながら毎日料理をしています。(笑)
時に煮魚、時に生姜焼き、時にお浸しや酢の物、(時に昨日の残りのカレー)が
せっせと夫の疲れを癒しているはず。(と信じています。)
You are what you eat.
あなたは あなたの食べているもので できている
文字通り、栄養面でもそうですが
きっと、料理をする人の気持ちも、あなたを支えている
私はそう思います。
最後に
美味しいゴハンで私を育ててくれた最愛の母に
心からの感謝を。