香りのロマン、時々、想い出
こんにちは。ライターの中村です。
ふと漂ってきた香りに、なぜだか胸が締め詰められるような感情がこみ上げてきたり、
もしくは、もっと具体的に過去の記憶が蘇ってきたこと、ありませんか?
おそらく、多くの人が経験しているのではないかと思います。
この現象、「プルースト効果」と言うらしいですね。
マルセル・プルーストの「失われたときを求めて」(私は若かりし頃に何度も断念…。長すぎて…。)の中で、
主人公がマドレーヌの香りで幼少期の記憶を取り戻す場面があり、
そこから名付けられたそうです。
安堵の正体
香りについては、私個人にもこんな経験があります。
何年前のことだったか、すれ違ったご婦人からとあるフレグランスの残り香。
既に、精油以外の香りがめっきり苦手になっていたのですが、
その香りはとても心地よく私を魅了するどころか、
なぜだか泣きたくなるくらい私をほっとさせるのです。
母が昔愛用していたオードトワレの香りでした。
ふと、ある記憶が脳裏に蘇りました。
花柄のエプロンをして立っている母の太もものあたりに泣きながら飛び込んで、
その柔らかな感触と母の甘い香りに埋もれて、泣きじゃくる幼き日の私。
おそらく兄と喧嘩したとか、転んだとか、ちょっと迷子になったとか、
そんなことで泣き始めたのだと思いますが、思い出されるのは悲しさではなく、
ただただ、安堵の気持ち。
ほっとして涙が止まらなかったのでしょう。
現在身長165cmの私が、自称152cmの母の太ももにダイブできる頃と考えると、
膨大な年月を遡るわけですが、デジャブのような臨場感でフラッシュバックし、
許されたような、包み込まれたような、何ともいえない気持ちになりました。
もう絶対に元には戻らない、そこには行けないという、
時間の不可逆性に圧倒されながらも、
久しぶりに、体ごと母に甘えられたような気分になって
恥ずかしながら少し嬉しかったのです。
ほんの一瞬、知らない女性が残した香りによって引き戻された時間、
呼び戻された感情。
ちなみに、母は今も元気に暮らしていますが、かなり前から香水は付けなくなりました。
見えないのに、命を繋げるもの
嗅覚は視覚や聴覚と違い、
脳の大脳辺縁系にある記憶をつかさどる「海馬」にダイレクトに到達します。
香りが記憶と密接に結びついているのは、このためだそう。
その後、香りの成分は大脳辺縁系から自律神経をつかさどる視床下部に伝わります。
みなさんもご存知の“アロマセラピー”は、
香りと自律神経の関係性をストレス解消やリラクゼーションに応用したものです。
一方、植物も香りによって自分を守っています。
植物は、動物のように強い紫外線や外敵から走って逃げるわけにはいきません。
そこで、紫外線から自らを守る成分を体内に持っていたり、
外敵を遠ざける独特な香りを放ったりします。
天然の虫除けスプレーにシトロネラやユーカリ、ペパーミント精油が使われるのは、
これを利用したものです。
(アムリターラは、こういった植物が持っている自己防御成分「フィトケミカル」を、化粧品にも活用しています。自然に感謝。)
食べることで吸収する栄養素とは違って、儚げな印象の“香り”ですが、
自然界の生命を繋ぎ、あるいは私たちの一人ひとりの心も支えているのかも。
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とりとめもなく、長くなりましたが、何をお話したかったかと言うと、
香りの不思議な力と魅力のこと。
香りは私たちの感性だけでなく、脳にダイレクトに届いて生命活動にも深く関係しているというロマンについてでした。
ちなみに、アムリターラ製品は合成香料を一切使っていませんので、
香りは全て天然のもの。私が毎晩使って癒されているのはこちらです。
真正ラベンダー精油のおかげで、メイク落としが極上のリラックスタイムになります。
https://www.amritara.com/fs/amritara/c/wash05
ではまた。
https://www.amritara.com/